2024/11/12

医療費控除とは? 申請しないと損する所得控除

 医療費の自己負担が多い人は、賢く適用すれば所得税だけでなく住民税の節税効果も得られる、「医療費控除」について解説していきます。

医療費控除とは

 1年間に支払った医療費が一定額以上だった場合に、かかった医療費の一部を所得税金額から控除できるというものです。簡単に言えば、「年間10万円以上の医療費を支払っていれば、支払う税金を少なくしてくれる」という制度です。

医療費控除の対象期間

 医療費控除はその年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費が対象となります。未払いの医療費がある場合は、実際に支払った年が医療費控除の対象です。

医療費控除の対象者

 控除の対象となる親族の範囲が決められています。控除の対象者は以下のとおりです。

医療費控除の対象者

・本人

・本人と生計を一にする配偶者

・本人と生計を一にする親族

 親族は「6親等内の血族または3親等内の姻族」となります。また、配偶者や親族が医療費控除の対象となるためには、本人と生計を一にしている必要があります。基本的には同居していれば生計を一にしているとみなされますが、明らかに独立した生活を営んでいると認められる場合は対象外となります。

 「生計を一にする」という条件は、同居していなければ認められない、というわけではありません。配偶者や親族と別々に生活を送っていても、「日頃から生活費や療養費などの送金をしており、年末年始などの休暇には一緒に暮らすことを習慣としている」といったケースに当てはまる場合は、「生計を一にしている」とみなされます。

 国税庁の質疑応答事例では、生計を一にする判断について以下のように回答されています。

国税庁の
質疑応答

(1) 勤務、修学、療養等の都合上他の親族と日常の起居を共にしていない親族がいる場合であっても、次に掲げる場合に該当するときは、これらの親族は生計を一にするものとする。

イ 当該他の親族と日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には当該他の親族のもとで起居を共にすることを常例としている場合

ロ これらの親族間において、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合

(2) 親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、これらの親族は生計を一にするものとする。

出典:国税庁 https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/05/58.htm

医療費控除の対象

 医療費の領収書さえ残しておけば、誰でも医療費控除の申告をすることができます。医療費控除の対象となる医療費というのは、病院に支払った治療費、入院費などだけではなく、通院にかかった公共交通費、ドラッグストアで買った市販薬なども含まれます。

医療費控除の対象になる費用

医療費控除の対象になるもの

病気やケガで病院に支払った診療代歯の治療代

治療薬の購入費

入院や通院のための交通費

 (原則は電車やバスなどの公共交通機関とし、自家用車の利用料を除く)

・入院時の部屋代や食事代で通常必要なもの

医療用器具のレンタル費や購入費

義手や補聴器などの購入費

あん摩マッサージ指圧師、はり師などによる施術費

 (疲れを癒したり、体調を整えるといった治療に直接関係のないものを除く

保険師や看護師、または特に依頼した人に支払う療養の世話の費用

助産師による分べんの介助料妊婦が受ける検査や定期健診などの費用

介護保険制度を利用し、指定介護老人福祉施設においてサービスを受けたことにより支払った金額のうち2分の1相当額や、一定の住宅サービスを受けたことによる自己負担額に相当する金額

医療費控除の対象にならない費用

医療費控除の対象にならないもの

容姿を美化するために行う整形手術等の費用

健康診断の費用

 (重大な疾病が発見され、引き続きその疾病の治療を行った場合を除く)

タクシー代(公共交通機関を利用できない場合を除く)

・自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車料金

・眼鏡など治療を受けるために直接必要としない器具の購入費

親族に支払った介護費用

疫病予防や健康促進を目的に支払った費用

 (予防接種費用サプリメントの購入費用など)

計算方法

 医療費控除を受ける条件は、「本人または本人の親族や配偶者のために医療費を支払っていること」です。その年の1月1日から12月31日までに負担した医療費のうち、10万円を超えている部分(所得金額が200万円未満の方は所得金額の5%を超えた部分)が控除の対象となります。

 なお、負担した医療費を計算する際は、本人が支払った医療費だけでなく、本人と生計を一にする親族や配偶者が支払った医療費も合算できます

医療費控除の申請手順

1. 医療費の通知や領収書で医療費控除の対象になるか確認する

2. 医療費控除の金額を計算する

3. 確定申告書と医療費控除の明細書を作成する

4. 確定申告書と医療費控除の明細書を税務署に提出する

医療費控除の申請をする際の注意点

注意点

・医療費の領収書やレシートは確定申告をしてから5年間保管しておく

・医療費控除を受ける場合はセルフメディケーション税制の適用を受けられない

必要書類

必要書類

・確定申告書

医療費控除の明細書

医療費の領収書(提出の必要はないが、5年間の保管が必要)

・青色申告決算書、収支内訳書、給与所得の源泉徴収票など

・本人確認書類

まとめ

 医療費控除の申請をするには基本的には確定申告書と医療費控除の明細書を作成して、税務署に提出という流れになります。しかも医療費控除は5年間ならさかのぼって申請することができます。一度、医療費控除の対象となるものはないか整理してみてはいかがでしょうか。

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